月の死

ずっと誰かが
僕を
探して
いる
はず
なのに
僕は
この僕は
目を開けるのも
指すら
もう
ずっと
誰かが


探して
いる
はず
だった
のに
僕は
この頭が
甘辛い情報

腐っていく
事に気づく
より先

偶然
が先

いつか
誰かが
僕を
見つけて
くれたら
僕は
何万光年か
わからない
遠いところに
住む
歌う少女
歌を歌う
少女
に会いに
そして
ただ
愛し合って
それで
それで
愛し合って
愛して

されて
好きだと言って
好きだと
言って
言える
それは
とても
楽なこと

僕は

目の
網膜が
薄緑色に
汚れて
しまった
光が
僕から
赤さを
だから
薄緑
に汚れている
なのにまだ
少女に
ただ
会いたかった

何万光年
か先か
わからない
遠く遠く

住む
少女が
僕を
気付くただ
ただ
それのため
僕は
この
思考の
追跡が
届くために
宇宙の
何かの物質

目をやられた
少女の
ために

も どる