トリス

私の名前は。
空白を置いて閉じこんで
私の名前は。
中身の軽さに思わせぶりで

クリーム色のカーテン
光は差し込むこともなく
返らない返答
妄想は次第に現実味を帯びて

私の名前は。
しゃべる間に考えようか
私の名前は。
とっさに思いつけばいいんだ

窓を開けてみるとそこは
アパート小屋の七階ぐらい
待ち飽きた返答
愛する人を作り出しては

私の名前は決定された
もとあるものなどもはや足りずに
私の名前と一緒に私
構築しきってしまおうやっと

珍しく光差し込む
チョコレートのような匂い
暗く痛い匂い
しかしまだ滞っては無い

も どる