彼が雨の朝に思ったこと

そう、悲しい
とても悲しい
其の感情が心のどこかに沸いて
其れが神経を伝って全身に行き渡り
僕の表情が悲しいと言い
其れに後押しされ僕は逃げられなくなる

例えば朝から雨が降って
もしくは息苦しそうな人を見て
波紋が僕に届き
心のどこかに沸いた時に

そう言った時は肉体を意識しない
照明の光に体は透き通る
気持ちが息をしている
其の鼓動が僕の鼓動に重なる

何気ない
そういう類が
無性に僕自身を見つめ始めて
僕自身が其の感情を持ちえたはずなら
乖離したこの僕と心が
時々僕自身の在り処を不明瞭にさせた

も どる