人ならず蜻蛉
蜻蛉は街を切り裂き
何一つ気落ちせず
飽くまで本能のままで
その羽に震えを与え
蜻蛉の百八の視界に
様々な人々に
全ての人生を色づけ
偏ることの無い中立よ
指先に止まってくれるな
最早全てを見つけると
其れこそ満天の星星に
其れこそ大地の翳り火に
蜻蛉よ、透明な両手に
研ぎ澄まされた胸に
何一つ心を置かんとし
切り裂いていく蜻蛉よ
も どる